好奇心旺盛な薬屋少女が宮中の謎を解き明かす!
中世の宮中を舞台に、薬と推理をこよなく愛する少女・猫猫(マオマオ)が活躍する『薬屋のひとりごと』は、まさに笑いあり、謎解きありの極上ミステリーでした!
花街で薬師をしていた猫猫が、ひょんなことから帝の御子たちが短命であるという不穏な噂を耳にしたところから、物語は怒涛の勢いで動き出します。
持ち前の好奇心と薬学の知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を探り始める猫猫。彼女の洞察力と推理力には舌を巻くばかりで、次々と宮中で起こる難事件を鮮やかに解決していく様は、見ていて実に爽快です。
最初はただの下女に過ぎなかった彼女が、宦官に見いだされ、その才能を発揮していく過程は、応援したくなること間違いなし。時にコミカルな猫猫のリアクションや、彼女を取り巻く個性豊かなキャラクターたちとの掛け合いには、思わずクスリと笑ってしまいます。
この作品は、スクウェア・エニックス版とサンデーGX版の二種類のビジュアルがあるそうですが、個人的にはやはりビジュアル重視派!
どちらも魅力的なのでしょうが、美しい作画で猫猫たちの生き生きとした表情や、華やかな宮中の様子が描かれているのは、読者として純粋に嬉しいポイントです。
物語の面白さに加えて、目の保養にもなるという一石二鳥の作品と言えるでしょう。
『薬屋のひとりごと』は、単なる推理ものに終わらず、宮中の人間関係や陰謀、そして猫猫自身の過去にも触れていくことで、物語に深みを与えています。
薬の知識を駆使したユニークな謎解きは新鮮ですし、猫猫の観察眼と推理力にはいつも驚かされます。
笑いとシリアス、そして謎解きのバランスが絶妙で、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなし。
ミステリー好きはもちろん、賢くもどこか飄々とした主人公の活躍を楽しみたい方にも、自信を持っておすすめできる一作です!